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日本人の自然観(四)

2006-06-01 14:30   来源:寺田寅彦       我要纠错 | 打印 | 收藏 | | |

  このような自然の多様性と活動性とは、そうした環境の中に保育されて来た国民にいかなる影響を及ぼすであろうか、ということはあまり多言を費やさずとも明白なことであろう。複雑な環境の変化に適応せんとする不断の意識的ないし無意識的努力はその環境に対する観察の精微と敏捷(びんしょう)を招致し養成するわけである。同時にまた自然の驚異の奥行きと神秘の深さに対する感覚を助長する結果にもなるはずである。自然の神秘とその威力を知ることが深ければ深いほど人間は自然に対して従順になり、自然に逆らう代わりに自然を師として学び、自然自身の太古以来の経験をわが物として自然の環境に適応するように務めるであろう。前にも述べたとおり大自然は慈母であると同時に厳父である。厳父の厳訓に服することは慈母の慈愛に甘えるのと同等にわれわれの生活の安寧を保証するために必要なことである。

  人間の力で自然を克服せんとする努力が西洋における科学の発達を促した。何ゆえに東洋の文化国日本にどうしてそれと同じような科学が同じ歩調で進歩しなかったかという問題はなかなか複雑な問題であるが、その差別の原因をなす多様な因子の中の少なくも一つとしては、上記のごとき日本の自然の特異性が関与しているのではないかと想像される。すなわち日本ではまず第一に自然の慈母の慈愛が深くてその慈愛に対する欲求が満たされやすいために住民は安んじてそのふところに抱かれることができる、という一方ではまた、厳父の厳罰のきびしさ恐ろしさが身にしみて、その禁制にそむき逆らうことの不利をよく心得ている。その結果として、自然の充分な恩恵を甘受すると同時に自然に対する反逆を断念し、自然に順応するための経験的知識を集収し蓄積することをつとめて来た。この民族的な知恵もたしかに一種のワイスハイトであり学問である。しかし、分析的な科学とは類型を異にした学問である。

  たとえば、昔の日本人が集落を作り架構を施すにはまず地を相することを知っていた。西欧科学を輸入した現代日本人は西洋と日本とで自然の環境に著しい相違のあることを無視し、従って伝来の相地の学を蔑視(べっし)して建てるべからざる所に人工を建設した。そうして克服し得たつもりの自然の厳父のふるった鞭(むち)のひと打ちで、その建設物が実にいくじもなく壊滅する、それを眼前に見ながら自己の錯誤を悟らないでいる、といったような場合が近ごろ頻繁(ひんぱん)に起こるように思われる。昭和九年十年の風水害史だけでもこれを実証して余りがある。

  西欧諸国を歩いたときに自分の感じたことの一つは、これらの国で自然の慈母の慈愛が案外に欠乏していることであった。洪積期(こうせきき)の遺物と見られる泥炭地(でいたんち)や砂地や、さもなければはげた岩山の多いのに驚いたことであったが、また一方で自然の厳父の威厳の物足りなさも感ぜられた。地震も台風も知らない国がたくさんあった。自然を恐れることなしに自然を克服しようとする科学の発達には真に格好の地盤であろうと思われたのである。

  こうして発達した西欧科学の成果を、なんの骨折りもなくそっくり継承した日本人が、もしも日本の自然の特異性を深く認識し自覚した上でこの利器を適当に利用することを学び、そうしてたださえ豊富な天恵をいっそう有利に享有すると同時にわが国に特異な天変地異の災禍を軽減し回避するように努力すれば、おそらく世界じゅうでわが国ほど都合よくできている国はまれであろうと思われるのである。しかるに現代の日本ではただ天恵の享楽にのみ夢中になって天災の回避のほうを全然忘れているように見えるのはまことに惜しむべきことと思われる。

  以上きわめて概括的に日本の自然の特異性について考察したつもりである。それで次にかくのごとき自然にいだかれた日本人がその環境に応じていかなる生活様式をとって来たかということを考えてみたいと思う。

  日本人の日常生活

  まず衣食住の中でもいちばんだいじな食物のことから考えてみよう。

  太古の先住民族や渡来民族は多く魚貝や鳥獣の肉を常食としていたかもしれない。いつの時代にか南洋またはシナからいろいろな農法が伝わり、一方ではまた肉食を忌む仏教の伝播(でんぱ)とともに菜食が発達し、いつとなく米穀が主食物となったのではないかというのはだれにも想像されることである。しかしそうした農業がわが国の風土にそのまま適していたか、少なくも次第に順応しつつ発達しうるものであったということがさらに根本的な理由であることを忘れてはならない。

  「さかな」の「な」は菜でもあり魚でもある。副食物は主として魚貝と野菜である。これはこの二つのものの種類と数量の豊富なことから来る自然の結果であろう。またそれらのものの比較的新鮮なものが手に入りやすいこと、あるいは手に入りやすいような所に主要な人口が分布されたこと、その事実の結果が食物の調理法に特殊な影響を及ぼしているかと思われる。よけいな調味で本来の味を掩蔽(えんぺい)するような無用の手数をかけないで、その新鮮な材料本来の美味を、それに含まれた貴重なビタミンとともに、そこなわれない自然のままで摂取するほうがいちばん快適有効であることを知っているのである。

  中央アジアの旅行中シナの大官からごちそうになったある西洋人の紀行中の記事に、数十種を算する献立のどれもこれもみんな一様な黴(かび)のにおいで統括されていた、といったようなことを書いている。

  もう一つ日本人の常食に現われた特性と思われるのは、食物の季節性という点に関してであろう。俳諧歳時記(はいかいさいじき)を繰ってみてもわかるように季節に応ずる食用の野菜魚貝の年週期的循環がそれだけでも日本人の日常生活を多彩にしている。年じゅう同じように貯蔵した馬鈴薯(ばれいしょ)や玉ねぎをかじり、干物塩物や、季節にかまわず豚や牛ばかり食っている西洋人やシナ人、あるいはほとんど年じゅう同じような果実を食っている熱帯の住民と、「はしり」を喜び「しゅん」を貴(たっと)ぶ日本人とはこうした点でもかなりちがった日常生活の内容をもっている。このちがいは決してそれだけでは済まない種類のちがいである。

  衣服についてもいろいろなことが考えられる。菜食が発達したとほぼ同様な理由から植物性の麻布綿布が主要な資料になり、毛皮や毛織りが輸入品になった。綿布麻布が日本の気候に適していることもやはり事実であろうと思われる。養蚕が輸入されそれがちょうどよく風土に適したために、後には絹布が輸出品になったのである。

  衣服の様式は少なからずシナの影響を受けながらもやはり固有の気候風土とそれに準ずる生活様式に支配されて固有の発達と分化を遂げて来た。近代では洋服が普及されたが、固有な和服が跡を絶つ日はちょっと考えられない。たとえば冬湿夏乾の西欧に発達した洋服が、反対に冬乾夏湿の日本の気候においても和服に比べて、その生理的効果がすぐれているかどうかは科学的研究を経た上でなければにわかに決定することができない。しかし、日本へ来ている西洋人が夏は好んで浴衣(ゆかた)を着たり、ワイシャツ一つで軽井沢(かるいざわ)の町を歩いたりすることだけを考えても、和服が決して不合理なものばかりでないということの証拠がほかにもいろいろ捜せば見つかりそうに思われる。しかしおかしい事には日本の学者でまだ日本服の気候学的物理的生理的の意義を充分詳細に研究し尽くした人のあることを聞かないようである。これは私の寡聞のせいばかりではないらしい。そういう事を研究することを喜ばないような日本現時の不思議な学風がそういう研究の出現を阻止しているのではないかと疑われる。

  余談ではあるが、先日田舎(いなか)で農夫の着ている簔(みの)を見て、その機構の巧妙と性能の優秀なことに今さらに感心した。これも元はシナあたりから伝来したものかもしれないが、日本の風土に適合したために土着したものであろう。空気の流通がよくてしかも雨やあらしの侵入を防ぐという点では、バーベリーのレーンコートよりもずっとすぐれているのではないかという気がする。あれも天然の設計に成る鳥獣の羽毛の機構を学んで得たインジェニュイティーであろうと想像される。それが今日ではほとんど博物館的存在になってしまった。

  日本の家屋が木造を主として発達した第一の理由はもちろん至るところに繁茂した良材の得やすいためであろう、そうして頻繁(ひんぱん)な地震や台風の襲来に耐えるために平家造りか、せいぜい二階建てが限度となったものであろう。五重の塔のごときは特例であるが、あれの建築に示された古人の工学的才能は現代学者の驚嘆するところである。

  床下の通風をよくして土台の腐朽を防ぐのは温湿の気候に絶対必要で、これを無視して造った文化住宅は数年で根太(ねだ)が腐るのに、田舎(いなか)の旧家には百年の家が平気で立っている。ひさしと縁側を設けて日射と雨雪を遠ざけたりしているのでも日本の気候に適応した巧妙な設計である。西洋人は東洋暖地へ来てやっとバンガローのベランダ造りを思いついたようである。

  障子というものがまた存外巧妙な発明である。光線に対しては乳色ガラスのランプシェードのように光を弱めずに拡散する効果があり、風に対してもその力を弱めてしかも適宜な空気の流通を調節する効果をもっている。

  日本の家は南洋風で夏向きにできているから日本人は南洋から来たのだという説を立てた西洋人がいた。原始的にはあるいは南洋に系統を引いていないとも限らないであろうが、しかしたとえそうであっても現時の日本家屋は日本の気候に適合するように進化し、また日本の各地方でそれぞれの気候的特徴に応じて多少ずつは分化した発達をも遂げて来ている。屋根の勾配(こうばい)やひさしの深さなどでも南国と北国とではいくらかそれぞれに固有な特徴が見られるように思われる。

  近来は鉄筋コンクリートの住宅も次第にふえるようである。これは地震や台風や火事に対しては申しぶんのない抵抗力をもっているのであるが、しかし一つ困ることはあの厚い壁が熱の伝導をおそくするためにだいたいにおいて夏の初半は屋内の湿度が高く冬の半分は乾燥がはげしいという結果になる。西欧諸国のように夏が乾期で冬が湿期に相当する地方だとちょうどいいわけであるが、日本はちょうど反対で夏はたださえ多い湿気が室内に入り込んで冷却し相対湿度を高めたがっているのであるから、屋内の壁の冷え方がひどければひどいほど飽和がひどくなってコンクリート壁は一種の蒸留器の役目をつとめるようなことになりやすい。冬はまさにその反対に屋内の湿気は外へ根こそぎ絞り取られる勘定である。

  日本では、土壁の外側に羽目板を張ったくらいが防寒防暑と湿度調節とを両立させるという点から見てもほぼ適度な妥協点をねらったものではないかという気がする。

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