I remember the party of the students to which I was invited.
私は学生のパーティーに招待されたこと/のを覚えている。
直訳は「招待されたパーティーを……」
英語は「もの的」、日本語は「こと的」。
ということだが、「犬が走っているのを見る」を例に取って考えてみよう。これは「こと的」な文である。知覚動詞「見る」ではこの例のように「の」を使う。「こと的」な文であるが、「*犬が走っていることを見る」とは言わない。これに対して「走っている犬を見る」と言うのが「もの的」な文である。これを英独仏伊中芬(フィンランド語)について調べてみよう。
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言 語 |
こと的 |
もの的 | |
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関係代名詞 |
分詞(連体形) | ||
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日 |
犬が走っているのを見る。 |
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走っている犬を見る。 |
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英 |
I see a dog running. |
I see a dog which is running. |
I see a running dog. |
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德 |
Ich sehe einen Hund laufen. |
Ich sehe einen Hund, das läuft. |
Ich sehe einen laufende Hund. |
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法 |
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Je vois un chien qui court. |
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意 |
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Vedo un cane che corre. |
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中 |
我看見一条狗在跑。 |
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我看見一条在跑的狗。 |
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芬 |
Näen koiran juoksevan. |
Näen koiran, joka juoksee. |
Näen juokevan koiran. |
● 中国語の[跑]は一つの文字。この文字がないのだ。
● 「走る」と「走っている」の区別があるのは日英中。
独仏伊芬では、強いて表現したいとき以外は区別しない。
○ 日 走るのを見る。
○ 英 I see a dog run. to なし不定詞を用いるという有名な規則。
○ 中 表の例文から「在」を除くと「走る」になる。
● 関係代名詞があるのは英独仏伊芬。
● 分詞の欄の日本語「走っている」は連体形。
● 中国語の「…的」を一応 分詞の欄に入れた。
● 仏伊にも分詞はあるが、この場合の表現には使われない。
● 関係代名詞による修飾は、被修飾語の後から行われる。つまり、被修飾語+関係代名詞となる。
詞による修飾は、修飾語の前から行われる。つまり、分詞+被修飾語となる。
● フィンランド語について
○ Näen koiran juoksevan について
■ Näen「見る」の一人称現在形。
■ koiran「犬」の生格。分詞の表す動作の主体は生格で表される。
■ juoksevan「走る」の現在分詞の対格。
○ Näen koiran, joka juoksee について
■ koiran「犬」の対格。単数では生格と対格は同形。
■ joka 関係代名詞?主格。
■ juoksee「走る」の三人称現在形。
○ Näen juoksevan koiran について
■ juoksevan「走る」の現在分詞の対格。
■ koiran「犬」の対格。分詞の格は修飾する名詞の格に一致させる。
● 日本語と中国語には2通りの言い方がある。
○ 日本語では左の言い方が一般的である。「犬が走っていることを見る」とは言わない。「こと的」と言いながら、この言い方はない。
○ 中国語では左の言い方が一般的だそうだ。これは兼語式と言って中国語によくある構文だ。
● 英独芬では3通りの言い方がある。
○ 英語については一番左側の表現が一般的だろう。
○ ドイツ語についてはどれもよく使いそうだ。 sehen の文では一番左側の表現が一般的だろう。これは 「四格(Akkusativ)主語と不定法」という構文である。「四格が主語とはなんだ?」といぶかしがる人もいる。中国語の兼語式に似ている。しかし、一般には分詞(現在分詞に限らず過去分詞も)を使った一番右側の表現も多い。冠形詞と言われる。これがドイツ語の一つの特徴だ。
○ フィンランド語についてはどれもよく使いそうだ。
● 仏伊では1通りの言い方しかない。
結 論
● 日本語は「こと的」である。
● 英語もこの点に関しては「こと的」ではないか。
● フランス語、イタリア語は「もの的」と言える。
● 中国語は「こと的」。
● ドイツ語とフィンランド語についてはどちらとも言えない。